「でも、事態は一向に進展しません。もう、白雪のことで悩む北斗さんを見たくないんです」

「もう、応援するのはやめたの?」

「わたしにも我慢の限界というものがあるんです」

顔は笑っていても目は笑っていない。

「わたしにしませんか?」

水面が悪魔に見える。

「わたしは今でも北斗さんが好きですし、付き合うのに悩むなんてことはありませんよ」

「俺は……」

「今は白雪を好きでもいいですよ。いずれ……」

その瞬間、ドアが勢いよく開いた。