「あそこで言うつもりはなかったのに……」

夜、自分の部屋のベッドに寝転がりながら、天井に向かってつぶやく。

本当に言うつもりなんてなかった。

自分のせいで迷惑をかけたと落ち込む姿を見たくなくて……

泣かせたくなくて……

「ありがとう」と微笑んだ顔に引き込まれて……

気持ちが溢れてきて……

思わず言ってしまった。

「これから白雪にどう接すればいいんだろう……」

とりあえず、あのときは白雪の家に着いたのを口実にしてごまかしたけど、ごまかしきれたとは到底思えない。

「はあ……岡崎さんの言うように、中途半端な関係に安住してきた報いかな……」