PM 7:30、私のケータイが小刻みに震えた。

[着信 慎也]

なにげなく3コールで出てみた。

声の主はもちろん、慎也だった。

慎也とは幼馴染で、この時間帯に電話が来るのは今日みたいに平凡な土曜。

どうせまた飲みに誘うんでしょ。

「…もしもし」

「今から駅前の自動販売機なっ」

「……りょーかい…」

プツップープープー…

ちょっと…今電話出たばっかなのに、もう機会音とか…せつなっ(笑)

「自動販売機って……小学生じゃあるまいし(笑)」

メンバー4人のシェアハウスの一角でボソッと呟いた。

「さてとっ……」

ビトンのバッグに携帯と財布とシェアハウスの鍵を入れ、

最近買ったコートを着て、

最近の流行の柄を取り入れたマフラーを巻き、

「ふぅっ……」とため息をつくと家を出た。