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けっこう雪が積もってきた。

ベンチに積もった雪で

小さなゆきだるまを

つくってみた。


「...なんか...私とは

正反対だね。君は。

そんな楽しそうな顔して。

私なんてさっきも

上手く...喋れなくて...。」

自分で作った

ゆきだるまに

語りかけた。


「見えてるのかな。私の存在。

遥斗くんの目に映ってるのかな...。

あの時、教科書見せてくれて

ありがとう、って

いつか言えるかな。

好き...っていつか

ちゃんと伝えられるかな...。

伝わるかな...。」