死のうと思った。


孤独と虚しさに
押し潰されそうになり


人としての生活を
拒もうとした。


何もかも捨てて
生まれ変わる…


例え虫でも、埃でも
なんだっていい。


私はこの現実から
逃れられるのなら


なんにだってなれる。


そんな事を考えながら
公園のベンチに
寝そべっていた。


冬の夜空は真っ黒で


気のせいか
いつもより大きく見える。


そこに
キラキラと光る星達は


まるで私の全てを
知ってるかのように


暖かいまなざしで
こっちを見つめていた。


「あたしの何を知ってるのよ…」


ひねくれた言葉を
言いながらも


優しく輝く星達に
心を見透かされている気がして

内心ビクビクしていた。

「帰ろかな…」


別に死にたい気持ちが
無くなった訳じゃない。


現実と向き合う
強さも無い。


ただ、
『帰らなきゃ』
って思っただけ。