「恭くん、一緒に帰ろ!」


恭くんはマンションが一緒でお隣同士だった。



「今日遊ぶ約束があるんだ。夏菜1人で帰れない??」



「やぁだ。恭くんと一緒がいいー」



駄々をこねる私にいつも恭くんは優しかった。



「しょうがないなぁ」



恭くんは「夏菜送ってからまたくる」と友達に言って私の手を取った。

私は優しい恭くんが大好きだった。


そんな恭くんがいきなり変わったのは中学校から。



「恭くん…」



「なに」



小学校までの優しい恭くんはいなかった。

いきなり冷たい態度になっていた。

そして去年、恭くんは電車で2時間のところにある私立高校に通い始めた。

私には教えてくれてなくて恭くんのお母さんに教えられた。

それから1年―――

一言も喋っていない。