次の日
奥君のお母さんのお葬式が行われた。

勿論、クラス全員で参列し
奥君との最後の日を過ごした。

みんなみんな泣いていた。
でも、奥君はいつもの奥君だった。

「お前ら何泣いてんだよ」
それが、奥君の最後の強がりだった。

「もーいいって。」
堅田君が怒鳴った。

泣きはらした目で奥君を睨みつけていた。

「…バカじゃねー泣くなよ」

へらへらしながら奥君は堅田君の肩に手を回した。
それを振り払うように
堅田君は言った。

「何で言わねーんだよ俺ら連れじゃねーのかよ!わざと、へらへらすんなよ……(泣)お前こそバカじゃねー!」

「………グッ…ぅぅ…うぅー言えねーだろが!」

隠さないでほしい
最後だけは
奥君が、どんな思いで生きてきていたか
自分を隠して欲しくない


「あたし……。5年生からいじめられてきた。無視されたり、給食に砂入れられたり、殴られ蹴られて…ホウキで…はかれて…うぅー(;´д⊂)グスンッ…雑巾なんかで顔」

「もーやめろ!」

「やめない!今までは誰かに知られるのが恥ずかしくて、言えなかった。本当は、イヤだよ…辛いよ苦しいよ……(泣)誰かに助けて欲しかった…何度も死のうかって思った。誰もあたしの気持ちなんか分からなかったでしょ?やめてよ…もー…いじめないで」

「お前」

「あたし…あたし…こんなあたしを助けてくれたのは奥君だけだった。

あたしに生きていてよかったって思わせてくれた。
あたしは…奥君が………
好き!大好き///」

バカみたい
あたし一人で
何こんな時に
告白してるんだろ。

「言ったよ……奥君…次は、奥君のばんだよ。ちゃんと、自分をだしてよ…」

みんなシーンとしてる
あたしと奥君に注目してる
「俺……しんどかったよ……(泣)笑えないのに笑ってる自分がイヤだった。…これからどーなるとか母さん死んだら嫌だとか、毎日毎日考えて…俺笑ってる場合じゃねーんだよ。疲れてる……」

その後、みんな奥君を囲んで泣いた。

あたしは、告白しちゃった
だけど、返事はなかった

何も言ってくれないまま
奥君は、あたしたちの前から消えた。