愛子は食事の片付けを済ませると僕に言った『さっきも言ったように、警察はまだあなたをリストから外していないわ。またじきに尾行がつく。うまく乗りきらなきゃ…』
そう話す愛子の顔を見ながら、僕はさっきの彼女の表情を頭から消せずにいたんだ。

(君は一体何者なんだ?)

愛子の心理を図れない…。

いずれこの疑問が僕を地獄へ落とすなんて、この時はまだ知るよしもなかった。