ふと思ったんだ。
世良愛子の事を僕はまだよく知らない。

刑事である事以外はまだ何も…
『愛子、君の家族は?結婚した事は?』
これから善きパートナーであるために僕は彼女の事を知りたかったんだ。

愛子は顔を一瞬曇らせた…。そして言った
『親は死んだの。母は小さい頃に、父は…自殺よ。結婚はした事ないわ。こんな仕事だしね』
さっきの表情はそのせいじゃない気がした…。
なんとなくだけどね。