(死にたい奴等に感謝だな)
僕はそう思いながら10年前まで行き付けだった理容サロンを訪れた。店主は暫く見つめて
『懐かしいな!引きこもりは卒業か?』

口は悪いがサバサバしていていやみがない分何とも思わない『10年で区切りがいいんで』僕も言った。店主は大笑いして『よっしゃ!今時の若者にしてやるか』そう言って腰まで伸びた僕の髪をバッサリ切った。

さようなら、今までの僕…鏡を見た…よろしく、新しい僕。