【短編】ガラス箱のアリ





『ブー』



ガヤガヤ…



終演のブザーがなり、人々が騒ぎながらも去っていく。




「いやぁ今回もおもしろかったなぁ。」



「そうね。今回は私たちの視線に気付いているなんてけっこう賢い人だったわ。」



「でも、結局どんなに賢くても死んじゃうわけだ。」



「仕方ないわよ。それに私たちは『それ』を見に来たのにそうならないと困るわ。」



「そういいながら彼女に『あぶない』って警告してたじゃないか。」



「あれは興奮しちゃってて…。」



「全く。君らしいよな。」



そういって笑いながら彼らは劇場から出ていった。



劇場には巨大なガラス箱。



なかには彼女が倒れている。




そして、劇場からでるとドアにはこういう張り紙がはってあった。