【短編】ガラス箱のアリ





「オイッ!どうすんだよ!こんなとこで人ヒイチマって!」



「そんなこと言ったって…とっとりあえず人がくるまえに行こうぜ!こんなとこで警察につかまるなんていやだからなっ!」



『バタンッ!…ブゥーン…』




どこからか男数名の声がして、次には車の機械音が響いて消えていった。



私は……どうなったの?



頭がいたい。



体がうまく動かない。



視界が…だんだんぼやけてきた…。ピントもあわなくなってきた……。



あれ?
真っ暗になった。




でも…感じる。




視線を…感じる。




視線は…彼女の瞳が閉じて青ざめていくまで、彼女の最後まで続いた。