僕は彼女から別れを告げさせる方法を考え、シミュレーションしてみることにした。


思い付いた第一の作戦は、メールや電話を無視することだった。

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『コウちゃん、おはよう(^O^)/

あたしは今日も部活だよ☆
コウちゃんもサークルがあるのかな??

今日も一日がんばろうね!!』


『コウちゃん、どうしてメール返してくれないの??
さみしいよぉ(T_T)

あっ、部活がはじまるみたい!!
またメールするね☆』


『休憩中〜☆

ねえ、どうして電話にも出てくれないの??
もしかしてまだ寝てるの??

返事してくれなきゃわかんないよ(>_<)』


『練習終わったよ!!

まだ連絡くれてないんだね(T_T)
コウちゃんどうしたの??

ねえ、今からコウちゃん家行っていいかな??』


『コウちゃん、今、家の前にきたよ☆

開けて!!』


扉を開けると、能面のような表情の理沙が金属バットを持って立っている。


そして彼女は、金属バットを振りかぶった。

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