リボンの指輪

「あんた、今日日直じゃなかったっけ」




「……あ!」




そこで初めて、自分が日直だったということを思い出す。




「忘れてた!」




「早くやっちゃいなよー。あと20分しかないよ」




「やばいっ。やるやる!」




そう言えば、家を出る時間を早めたのも、日直だったからじゃん!




陽葉にも、“用事があるから”って言ってきたんじゃないか。




「あー、もう、あたしの馬鹿」




「手伝う」




日誌を取りに行こうと廊下に出たあたしを、優希くんが追いかけてきた。




「ありがとー」




「一緒に何かやるのって楽しいし」




優希くんが、にかっと口元を吊り上げて笑う。