リボンの指輪

「やった」




そんなあたしの気持ちも知らず、頼は嬉しそうに笑う。




「じゃ、昼休みなっ!!」




頼は、手を振りながら、校舎の中に走って消えて行った。




「……ごめん、頼、わがままで」




残されたあたしは、優希くんに手を合わせて謝った。




「いいよ。田村、あんな奴だったんだな。知らなかった。もっとクールな感じかと」




「他の子にはね。あたしとは小さい頃から一緒だから、誤魔化しなんてきかないから」




「幼馴染みっていいなぁ」




「そうかな?大変なことも多いよ」




小さい頃から知っている相手が、どんどん変わって行くのを、見ていなきゃいけない。