さっきまで、行かないって言ってたのに。




「……頼?」




女の子達が、残念そうな色を顔に浮かべて去って行くのを見送ってから、あたしは頼を見た。




「言っとくけど、あいつらうざいから」




「付き合うからだよ」




好きでもないのに付き合って、そう思うのは、当然だ。




「優希くん、聞いてよ。こいつ、好きな子いるくせに、女遊びやめないから―――…」




「あっ、黙れ!」




「いひゃいいひゃい!(痛い痛い!)」




頼が、あたしの頬を、これでもかってくらいにつねる。




「頑張れば、ちょっとは違うかもしれないのにねぇ」




「へぇ……純粋なんだ」




何気なく放たれた優希くんの一言に、頼の動きが止まった。




「うるせぇよ」




もしかして、怒った?