屋上から去ろうとしたあたしの腕を、優希くんが掴む。




「もし、どうしても一人じゃ嫌だったら、俺のところに来てもいい」




「え……?」




優希くんの真剣な眼差しが、あたしをドキッとさせる。




「俺ら、別に嫌いあって別れたわけじゃない。戻ってきてもいい」




「……それは、出来、ないよ」




言葉が、上手く出てこない。




「俺は、お前らが別れると知っていたら、別れなかった。あいつなら、陽菜を幸せにしてくれると思ってたから」




「……ごめんね、優希くん」




一緒にいる時は、幸せなんだよ。