「じゃ、約束してくれる?って、初対面のあたしが言うのもなんだけど」




「何を?」




「香織を、もう無駄に傷つけないって」




確かに、この先どうなるか分からない。




香織の想いが、伝わるかもしれない。




伝わらないかもしれない。




伝わらなかった時、傷つくのは、無駄なことなんかじゃない。




だって、香織の精一杯やった、結果がそれなのだから。




だけど、こういうふうに、必要のなかったことで、傷つくのは、見ていたくないんだ。




「……約束するよ」




「分かった。…香織!!」




あたしが呼ぶと、香織は急いで、ブランコから飛び降りた。