リボンの指輪

香織が、あたし達を交互に見比べながら、しみじみと頷く。




「…はい?」




「今まであんま、実感とかなかったんだけど、こうしてると、付き合ってるみたい」




確かに、実感なんてもの、あたしもない。




今までも近くにいただけ、あまり変わっていないような気がする。




「そりゃどうも」




頼が照れ隠しか、マフラーの下で、小さく呟く。




「でもやっぱ、あたしは反対っ!!」




「香織…」




意見がころころ変わる子だ。




「だって、あんたと付き合って、陽菜が幸せになれる保証なんてないもん」




「それは誰だって同じでしょ」




「でも、あんただから特に!!」