毎日笑って、泣いて、励ましあって、
辛いことでも乗り越えられた。




それは、お互いをよく、知っていたから。




頼の手を離したのは、あたしの方だった。




頼は、必死で繋ぎ止めようとしてくれたのに、あたしは、振り払ったのだった。




それが何を意味するか、
十分分かっていたはずだったのに。




あたしにとって頼が、どれだけ大切か、自分でもよく、分かっていたのに。




あんな中途半端な別れ方をしたから、
今でもこうして、思い出してしまうのか。




それは自分でも分からない。




こんなこと、槙さんには言えない。




今でも、元彼のこと、思い出すだなんて。