リボンの指輪

「陽菜―――!!って…うわ、やばい、隣の人やばい」




あたしの隣を見て、香織が信じられないものを見たように言う。




「やばいでしょ…」




あたしは、朝だというのに、すでにぐったりとしながら言う。




隣には、ぜえぜえと、苦しそうに息をする、頼の姿。




今朝も、休むように言ったのに、まるで聞き入れてくれなかった。




「来るって聞かなくて」




「ってかあたしに移さないでよ」




「うるせぇ…分かってる」




本当に苦しそうだから、保健室には連れて行こう。




「来て。保健室で寝てな」




「これで保健室行ったら、間違いなく強制送還だろうが」




なるほど、的を射た事を言っている。




保健室に行ったら、早退させられるだろう。