リボンの指輪

それでも、全然嫌じゃない、あたしがいる。




「よ…っ」




最初は抵抗していた体も、次第に大人しくなっていく。




頼にハマッている証拠だった。




「……陽菜」




頼が、あたしの耳元で、小さく囁く。




「よ、頼…」




心があたたかくなっていくのを感じる。




もしかして、これが、“幸せ”っていうことなんだろうか。




そうだとしたら、“幸せ”も、うん、なかなか悪くない。




「どこにも、行くなよ」




そう言ったっきり、頼の寝息が聞こえてきた。