リボンの指輪

「頼。大丈夫ー?」




あたしは、今日は一歩もベッドから出ていないらしい頼に、そっと近づく。




「無理、死ぬ」




「ほら、シュークリーム、持って来たよ」




「今無理…」




「や、今食べろとは言ってないよ」




あたしは、机の上に、シュークリームの箱を乗っけた。




「香織がね」




香織の話題を出すと、頼の眉に、皺が寄った。




「シュークリーム持ってくって言ったら、ロシアンシュークリームやれだって。どれかにカラシをいれて、食わせろって騒いでた」




「……どんだけ俺が嫌いなんだ」




頼が呆れたように言う。