「さっむ――――――い!!!!」




あたしは、ぶるっと震えると、身を縮める。




「もう真冬だね、ね」




「陽菜、寒そうだな。これ貸す」




優希くんが、あたしにマフラーを差し出す。




「えっ、それじゃ、優希くんが寒いじゃん!」




「俺は男の子ですからっ」




そう言って優希くんは胸を張ったけど、やっぱり、見ているこっちが寒そうだった。




「やっぱりあたしは…」




「駄目。拒否権なし」




マフラーを返そうとしたあたしの意志は、ことごとく無視された。




「陽菜、おはよう!」




「おはよー、香織」




「あれ、あいつは?」