今日はただ、灯りのともる、頼の部屋を、自分の部屋から、見つめるだけ。




声なんてかけられるわけがなかった。




こんな行動を取る頼、初めてで。




ベッドに寝転がっていると、部屋をノックされた。




「はぁい」




「俺、優希だけど」




「あっ、はい!」




あたしは咄嗟に、ベッドから起き上がって、髪を整える。




「よっ」




優希くんが、照れくさそうに笑いながら、顔を覗かせる。




「下で、お母さんに会っちゃった」




「あ、何て?」




「すごいテンションだな」