振り返ると、いつものように気ダルそうに歩く‘アイツ’がいた。


「おはよ。また寝坊?」

「あ~…?」

「さっき始業ベルなってたし。遅刻だけど?」

「つーかオマエもだろ。」

「あはッ。まぁね(笑)」


歩調を合わせて並んで歩く。

こうして横顔を見るのは、もう何度目だろう。


…何度目、だなんて。


そんなの、数えきれないほどだってわかってる。


―‘アイツ’

アタシの元カレ、翔司。