「さて、桜井さんは今からどうすんの?」
「学校行くよー」
「んじゃ送りますよ」
「え、もしかして車持ちなの?」
「残念、バイクですよ」
内田くんが指差す方には大きな黒いバイクがあった。
あれ内田くんのだったのね。
「ってか、悪いからいいよ」
「悪いも何もすぐそこじゃないっすか。どうせ通り道なんで気にしないで乗って行って下さい」
「うー、ごめんね?ありがとう、でも内田くんは今から何するの?」
「俺も大学っすよ」
「そっか、大学生だったね」
「俺のこと何だと思ってたんですか?」
「高校生?」
「えー」
「嘘、なんかあんまりシフト一緒になったことなかったし考えてなかった」
「なるほど。
ほんなら行きましょうか」

