ふたごの愛



「そーいや俺らの名前って、海と空だよな」

「…うん」


ウミは地面に座った。ソラもつられて隣に腰掛ける。
太陽に照らされて、ウミの髪が金色に光る。
そういえば朝も、太陽がウミくんと重なってた。

『きれいだなぁ…。』

声には出なかったけれど、小さく思った。

「私さー、ソラって名前あんま気に入ってないの」

「へー。なんで?」

「だってさ、空がきれいーって言った子がいてさ、私カン違いしたことあるもん」

「…あー。よく使う言葉だもんなぁ」



ウミはつまらなそうに空を見る。

その横顔をみて、なにを考えてているのか…私には分からない。
でも、なんだか気になった。


「…どうかした?」

「…えっ?あ。なんにもない」

思わず見とれてしまっていた。
目をそらしたつもりでも、視界のすみでウミくんの髪が、まだ光っていた。