「わかってる。自分でもバカだなって思ってるよぉ……」


あたしはつつかれたおでこを触りながら涙目で蓮君の方を見る。


「ホラッ。鼻かめ!」


そう言って、蓮君はテイッシュを一枚取ると、あたしの鼻にあてた。


チーン!


「プッ……お前、全然変ってねーな」


あたしは蓮君にあてられたティッシュで鼻をかみ、その姿を見た彼は吹き出した。

あたしも泣き顔のまま一緒に笑った。

だって、蓮君のその笑顔はあたしが知ってる2年前の彼のまんまだったから。





「そもそも男のことよく知らないのに、恋愛小説なんか書くのが間違ってんだよ。大輔のことだってさ……。男の部屋に入るってどういう意味かってこと、お前全然わかってねーだろ?」


蓮君の意見はもっともだった。

だけど……


「あ……あたしだって、男の子のこと少しはわかってるよ?」


友達からの情報もあるし、何よりあたしの愛読書である少女漫画から得た知識もたくさんある。

ぶっちゃけ……ちょっとHな漫画だって読んだりしてるんだもん。



「ほんとかねー……?」


そう言うと蓮君は座ったままズイッとあたしの方へ体を近づけた。


そして……


「きゃ……」