「大輔君……!」


「よっ。久しぶりっ」


大輔君は白い歯を見せて、相変わらず人懐っこい笑顔で立っていた。


「大輔君、どこか行ってたの?」


肩からは大きなボストンバッグを提げ、さらに両手に紙袋を抱えている。

いかにも旅行にでも行ってました――って感じのいでたちだった。



「ああ。地元帰ってたんだ」


「あ、そうなんだ……」


「ヒナちゃん……今、ちょっといい?」


大輔君はちょいちょいとあたしに手招きをすると、通行人の邪魔にならないように歩道の脇によけた。


そして手にしていた紙袋を地面に置くと、ガードレールに腰掛ける。


何か話したいことでもあるのかな?

そう思わせるような態度だった。

あたしも同じようにガードレールにもたれ掛かって、話を聞く態勢を取る。