「君は『魔法』という存在(もの)を信じるかい?」

 そんな事をふと聞かれたら君は何て答えるかな?

 「そんなもの、信じるはずがない」と否定するかい?でも実はあるかもしれないのに?

 じゃあ「信じてるよ」と肯定するかな?無いかもしれない存在を信じて。

 本当のところは、ワタシが知っている人の中では誰も分からない。

 というか、分からないけれど信じていない人の方が多いかな。

 とにかく、どんな事でも、たとえ『魔法』でも妄想の中でなら実現させられる。

 だけど、妄想にふけって現実を忘れてもいけない。

 こんな『魔法』という一つの単語にこんなにも考えさせられるとは、少し時間を取ったね。

 だけどもう少しワタシに時間をくれないかね?いきなり聞かされて悪いとも思うが…まぁ、どうせ今日はもう何も無いだろう?

 いや、どうせと言ってこりゃ失礼。

 だが、いいだろう?

 おや?聞いてくれるのかい?これはこれはありがたい。

 何せ暇なんでねぇ。ちょいと最近、妄想ばかりしているんだ。

 ではさっそく、お言葉に甘えて話させてもらうよ。

 これから話すのは、1人の魔法使いの少年と1人の人間の少女のお話。あともう1人魔法使いの青年がいたかな?

 まぁ、話すにつれて分かるだろう。



 ―――では、始めるよ。