餓鬼だ餓鬼だ言うけど、愛子はすでに学年一を争うほどの可愛さであり、俺を憎む男は多いはず。

もし俺たちを尾行してくるキモイやつがいたとしたら、今の言葉によって俺は死刑確実である。


「だ、駄目!!絶対駄目!!」

「えー…広ちゃんケチ」

「ケチとかそんなんじゃないの!!駄目ったら駄目だかんな!!」

家の前に着いた俺は走って玄関のドアを開ける。

追い打ちのように愛子が言った。


「広ちゃん、好きってほんとだからねっ」



たった2週間で俺の何が解るんだよ!って想いながらもドアを閉めた後の俺は、真っ赤な顔して立っているしか術はなかった。