「広ちゃん、キスしよっか?」





咲おばちゃんと愛子が引っ越してきてから2週間がたった。
俺の母さんと咲おばちゃんは親友のように仲良くなり、昼間はお互いの家を行き来しながらお茶会をしているらしい。

愛子は同じ中学に入り、俺の姿を見つけては手を振ってくる。
友達にからかわれるのが嫌で、無視をすることが多かった。

登下校も付いてくるから、嫌でも噂はたつ。
いつしか反論するのが面倒になって、そのままにしている。



「お前何言ってんの?」

「何って?」

「餓鬼じゃないんだからさ。好きな奴としろよ」

「あたし広ちゃんのこと好きだよ?」