窓から中庭が見えるこの廊下は、俺と泰明の2人だけしかいないにもかかわらず、コソコソと会話をする。


「あ、肩に手おいた」

「…関係ねぇ」

「…広紀…」

「なんだよっ」

「キスされてんぞ?」




窓から飛び降りてやろうかと思った。
愛子が必死で振り解こうとしてるのに、内藤は放そうとはしない。

頭に血が上るとはこのことだ。


「愛子っ!!」


中庭のドアを壊したんじゃないかってくらい思いっきり開けた。

そこには愛子の腕を掴んでキスしようとしてる内藤の姿があった。


「放せよ…っ!!」






気付くと内藤は倒れていた。

右手がジンジンする。