「あぁ…今日ってバレンタインかぁ…」


久君がテレビを見て呟いた。



今だ…。

今渡すべきだよね、これ。


近くに置いてあったカバンからケーキを取り出した。



「こ…これ…!」



恥ずかしい…。

幼なじみで毎日毎日一緒にいたのに…。

プレゼントとか渡したことなかったから…。


まともに久君の目も見れなかった。

久君の胸にたたき付けるようにプレゼントを渡した。


「バ…バレンタインだから…パウンドケーキ作ったんだ!パウンドケーキ好きでしょ?」

「あ…ありがとう!めっちゃ嬉しい!」