人魚の泡





懐かしいな…
それ、『人魚姫』だよね。
彼女は最後泡となって消えちゃうんだっけ。



―…でも何故だろう。
この話、遥か昔に体験した気がするんだよね。
いやいや、そんな訳ないんだけどさ。
でも幼い頃の私はこの話を飽きるほど聞いていたの。
――まるで記憶のピースを取り戻そうとしているかのように。


…いや、ごめんごめん、忘れて!!
ちょっと言い過ぎたわ。

…ねぇその本、借りちゃ、駄目かな――