カクテル 〜カシス〜

−このチャラい奴どこか行かないかなぁ〜カノンに助け求めたくっても無理だし…−




私はあからさまな態度をしていた。




でも、圭という男は引き下がるわけもなくひたすら話してきた。



「愛海ちゃん？飲み物そろそろ無くなりそうだけど次どうする？」




注文して、この男が離れてくれる！
そんなチャンスを私が逃すわけもなく、



「そうですねぇ〜圭さんのオリジナルで何か作っていただけませんか？」




意地悪な軽い気持ちだった。




作ってきては、あれはダメこれはダメと文句を言う私に圭さんは一生懸命にカクテルを作ってきてくれていた。





何杯ものカクテルを味見していた私もさすがに酔い始めていた。




−いかん！しっかりしろ私!!−



「愛海ちゃん？このカクテルはどうかな？」




そんな様子に気づきもせず圭はひたすら私にカクテルの反応を気にしていた。




−変な奴…−




そんなくらいにしか、思っていなかった。