時間は過ぎて、次の日曜日。 俺は最寄の駅で待っていた。 「…流石に30分前は早過ぎたかね」 俺は携帯電話の時計を見ながら溜息をついた。 香苗は時間に厳しい代わりに、早くも遅くもない。 んまぁ早く来た俺が悪いんだけどな。 と、その時。 「あ、あの…」 「?」 背後から声をかけられたので、振り返った。 そこには、俺と同い年くらいの女性が。 「神道君?」 「え?あ、そう、だけど…」 「やっぱり!」 その人物は、俺の手を握るなり、満面の笑みを浮かべた。 だ、誰だ? 「あの、どちら様で…?」