『咲さん...僕はあなたが欲しくて仕方がないらしい。これでは狼ですね? 』


ロイが唇を少し離して耳許で囁き、そのまま耳朶を軽く噛まれあたしの身体が微かに震えた。


緑色の瞳が愛しげに、でも少し苦しそうにあたしを見つめる。


(長い間...こんな風に見られる事無かったな。)


龍の感情の読めない瞳が頭を過った。


そんな事をぼんやり考えているとロイが再び唇を重る。