サンタクロースに恋をする

『帰る。』


あたしは手早く服を着て玄関の前に立った。


『どうした? 帰るんだろ? 』


煙草に火を着けながらゆっくりと...そう。


猫が鼠をいたぶるように龍が言う。


『....っ。』


『来い。咲。』


のろのろと龍の前に行くと、満足そうに笑う顔があった。