ｽﾉｳﾗﾋﾞｯﾄ

何も言わない、泣き止まない彼女を、なんとか止めたタクシーに乗せた。


俺が一緒に乗り込んでも何も言わない彼女。


「家どこ？」


彼女がやっとの思いで口に出した住所は、俺のアパートから遠くはなかった。


運転手に伝えると、タクシーが走り出した。



依然として泣き止まない彼女の、頭を撫でた。


さっき会ったばっかの女に、こんな事初めてだった。



余程不憫に見えたのだろうか。


彼女があまりにも弱いから、俺が守らないとって感じた。