俺達は本当の恋人みたいだった。


イルミネーションで着飾った街に溶け込む恋人達の群れに、俺らはきちんと紛れていた。


夜、俺は一生懸命探したホテルに由香里を連れてきた。


もちろん、泊まりだなんて由香里は一言も言っていなかった。


イブの日に空いている部屋があるホテルなんて、本当に探すのが大変だったが、これはもう俺へのクリスマスプレゼントだと思った。

キャンセルが入った直後に電話した俺。

ナイスタイミング。



由香里は予想もしなかったみたいで、急に無口になった。


それでも俺は由香里の手を引いて、結局俺達はホテルの部屋に居た。

部屋から見えた夜景を見て由香里は少し緊張が解けたのか、昼間みたいにはしゃいでいた。