「………」


冷たく言い放つ淳哉くんに彼女たちは何も言わずその場を去って行った。



「愛ー…?!何?どうした?!」

淳哉くんが戻って来て慌てて私に問いかけた。


「へ…?」

「泣いてる…」


淳哉くんの指が目尻にそったとき、自分が泣いていることに初めて気がついた。


「泣いて、ない…ですよ」


「…強情」


いつの間にか美奈ちゃんたちは居なくなってて。


ただ、淳哉くんの唇の熱が額にとどまるだけだった。