落ち着き始めたころに試合は始まった。
先攻は私たちのクラス。
クラスの男子たちが順に打席へ立っていく。
応援席には女子の姿。
"○○くん頑張ってー!!"なんて黄色い声が飛ぶ中、樹くんの番が回ってきた。
「樹ーー飛ばせ!!」
美奈ちゃんの声に続いて、
「樹くん!頑張って下さいっ」
私も声を出した。
「おー!」
バットを持ち、こちらを向いた。
「見てろよ?」
それだけ言うと、打席に立った。
「…樹のヤツ、調子に乗って…」
そう言いながら、美奈ちゃんの目には、バットを振る樹くんをしっかりと捉えていた。
………もしかして?
…もしかして、美奈ちゃんって…
小さな確信を胸に抱きつつ、カキーンと言う、音を聞いた。


