「…愛、絶対おかしいよね」 「だよな…最近、なんか楽しそうにしてたのに…」 「やっぱり、あれが原因かな…」 「え、井崎、何か知ってるのかよ?」 「でも、…違うかな…」 「無視?おい、って…おい!」 樹の声を遠くに感じながら、美奈は歩き始めた。 (確か……あの子だった気がする! あ、あの子!) 「…ちょっといい?」 「何ですか?」 「あんた、愛になんて言ったの?」 「…愛?」 「早川愛!」