「彼女は、今はいらない」 「今は…?」 「今は、愛がいるからそれでいい」 さっきよりも強く握られた手に、ボッという効果音がなりそうなほどに赤く染まる顔。 「そそんな、デタラメ…」 「デタラメじゃないよ? 俺の本心…」 足が止まって空いていたほうの手が私の頬に触れる。 近づいてくる顔に、怯えていた。 初めてのことに戸惑いを隠すことなんて出来なかった。 「そんなに怯えなくてもいいから、」 ギュッと瞑っていた目をうっすら開く。