「先輩ー」 「何ですか?」 「愛って呼んでもいい?」 「…どうぞ、」 「愛、」 「はい」 「なんで、そんなに勉強するの?」 純粋に私を見つめて、問われることに、答えが見つからなかった。 「えっと…、」 「あ、"早川"。 ここでしょ?」 中々答えられずにいると、家に着いてしまった。 「…質問の意味はそんなにないけど。 ただ聞いてみたかっただけだから、気にしないで?」 「………」 「んじゃあね、バイバイ」 離された左手に冷たい風を感じた。