初恋…みたい

屋上から教室へ向かおうとしたとき
私の前を歩いていた海斗が手を差し出した。



「俺らって恋人同士だよな?
だったら 手繋いでいいか?」




海斗の顔を見ると ほんのり赤かった。


私は 『うん』という気持ちを込めて
海斗の手を握った。






海斗の手は


大きくて 温かかった。



そして どこか優しかった。





まるで 今から円香に謝る緊張を
和らげてくれているようだった。