「おっはー。」


廊下に出るとみんなが挨拶を交わしてた。


「ひなた!! あれ、こうき先輩!!!」


あ...


「今だって、早く行って来い!」

「あ、うんっ」


私は、そのまま走った。


こうき先輩が目の前に居たから。



「こうき先輩!!!」


思わず大声で叫んでしまった。

みんなが見てて
超はずかしかったけど...


しかも超息切れ。


「うっわ、どした?」

こうき先輩は、私の顔を覗き込んだ。


「あ、いや特に何もなかったけど
 こうき先輩が居たから
 思わず走っちゃいました」


「なにそれっ
 ひなた、超わけわかんないしっ」



こんな、馬鹿な私の発言を
笑って聞いてくれるこうき先輩。


私は、1年の時から
こうき先輩が好きだった。



「ま、走ってきてくれたお礼に
 これあげるから
 大事にしなさーいっ」


こうき先輩は、笑いながら私の手を
ひろげて何かを握らせた。


「じゃーにー」


そのまんま、こうき先輩は
3年の教室に行った。