笑顔 -電車での出逢い-


「それじゃ!!お礼は改めて他の日にさせてもらうから!!」

結局私はうまく受け答えすることなんてできなくて

彼から連絡先を聞かれて断ることもせず

彼に連絡先を赤外線で送信していた…

断る理由も見当たらないし断りたくないってのが本心だった…。

せっかく…しかも彼から

連絡先を交換できるチャンスなんだ…。

期待なんて無謀だと

分かっているけれど

彼のプロフィールが私の携帯に

アドレス帳に入ってくると自然と心が弾んでしまう。

確かにどのくらいの期間か分からないけれど

彼には私の連絡先が入っていて

私にも彼の連絡先が入っていて

浮かれるバカな自分が居る。

いつ消されるのか分からない私の連絡先

だけど

心は素直で単純で

歓喜の声を上げていた…。